「医師から十分な説明を受け、患者さんがそれに同意をすること。」
それをインフォームドコンセントと言う。
全ての医療において必要であると言われて久しい。
しかし、十分な説明がないまま治療をされていることも世の中多いようだ。
根管治療の分野においては、特にその傾向が強いと感じる。
(保険治療では時間的な制約もあるため、難しいという現状もあるが。)
当専門室では治療に入る前に、同意書を説明しながら、インフォームドコンセントを行っている。
どんな治療も偶発症はあるが、根管治療も例外ではない。
事前にそれを説明しておくかどうかは非常に重要である。
何点か抜粋すると
①治療後の痛み
根管治療は治療後に痛みが出ることがある。術後痛という。
状態が悪化しているわけではなく、治療の刺激によるもので、1週間程度で落ち着くことが多い。ほとんどの場合、鎮痛剤でコントロールが可能だ。
②内出血や気腫
根管治療に使用する薬剤の影響で、内出血などが起こることがある。
③治療器具破折の可能性
ファイルやリーマーといった治療器具が、治療中に折れることがある。
④口角(口唇)、歯茎の損傷
奥歯の治療だと口角をかなり引っ張ることもあり、口角炎が起きることがある。
また、ラバーダムの器具(クランプ)で歯茎が傷つくことがある。
「起こり得ることは全て、事前に説明をしておく」
根管治療に限らず、医療において非常に大事なことだ。
当院に来院する多くの患者さんの主訴は「痛みを取りたい」、「歯を残したい」である。
そこに関わることは、できるだけ漏れがないよう説明するようにしたいと思っている。