根管治療の成功率に関して、以前のブログで紹介した。
今回はその中でも、再根管治療についてお話ししよう。
再根管治療とは、以前行った根管治療が失敗している時に行われる、やり直しの治療である。
根尖病変があると、再根管治療の成功率はおよそ70%だ。
しかしこの70%はあくまで平均であり、実際は治療する歯の状態によって大きく異なる。
以前の治療において、根管の本来の形態が壊されている場合、その成功率は大きく低下する。
40%まで成功率が低下するという研究データもある。
どのような時がこれに当てはまるのか?
分かりやすい例が、「大きく歯を削られたり、本来の方向とは間違った方向に歯が削られることにより、歯に穴が空いた状況」だ。
「穿孔」や「パーフォレーション」と呼ばれる。
歯科医師の間では「パフォった」といい、やらかした場合多くの歯科医師が慌てるやつである。
このようなケースにおいては、マイクロスコープ無しで治療することは不可能となるし、専門的なアプローチが必要になるだろう。
また、再根管治療では以前の治療の際に使用した、古い材料(被せ物、金属の土台など)を除去することから始めなければならない。
これが初回治療との大きな違いであり、手間・難しさの一つでもある。
抜髄治療を始めとした初回治療は、ラバーダムを始めとした適切な環境下で行えば、90%という高い成功率となる。
根管治療においても、最初の治療が肝心だと言えるだろう。