根管治療の成功率はどれくらいなのか?
これから根管治療を受ける患者さんは、知っておきたい情報だろう。
根管治療の成功率を調べた文献は数多い。
一つ一つを挙げるのは難しいので、まとめたものを示そうと思う。
但し、これらの数字は、ラバーダムを始めとした「無菌的な処置環境」で行われた治療の成功率である。
ラバーダムをしないような根管治療で、この成功率は得られない。
①「初回治療」 or 「再根管治療」か?
②「根尖病変(根の先端の膿)」があるかどうか?
これらにより成功率は大きく左右される。
「初回治療」とは、初めて根管治療を行う場合を意味する。今まで誰も歯の内部を触っていない状態のため、治療が行いやすい。
これに対して「再根管治療」とは、前医の治療がうまく行っていないためにやり直す、いわゆる再発した症例である。
前の治療のエラーを修正しなければならず、初回治療を比べると治療の難易度が大きく上がる。
そして「根尖病変(根の先端の膿)」が成功率に大きく影響する。
根尖病変の存在=根管内の細菌感染が重度であることを意味するからだ。
私は治療のカウンセリングを行う際、必ずどれくらいの成功率が見込めるかということを患者さんにお話しするようにしている。
どうだろうか?
きちんとしたルールに則って行われる、根管治療の成功率は非常に高いことがわかるだろう。
しかし残念ながら100%の成功率ではない。根管治療だけでは治らない場合もある。
その時に歯根端切除術などの外科的な治療が、もう一つの解決法となるのだ。