当院では歯根端切除術を施術する機会も多い。
歯根端切除術の流れや詳細については、このホームページの中でもわかりやすく記載しているので、どのような手術か知りたい方は読んでいただければと思う。
「過去に歯根端切除術を受けた。その歯がまた悪くなっているので、診て欲しい」という患者さんも多く来院する。
このような場合ほぼ100%の確率で、過去の手術は「歯根の先端を切っただけの手術であり、逆根管治療が行われていない」のである。
逆根管治療とは、「歯根の先端を切除した後に、根の先端から根管治療を行い、セメントを用いて封鎖する」ことである。
この手術の一番のキモとなる部分だ。
にもかかわらず、何故か逆根管治療を伴わない歯根端切除術が多く行われている。
日本では長年に渡り、口腔外科が主体となって歯根端切除術を行ってきた経緯がある。
口腔外科学会では歯根端切除術について、以下のように未だに逆根管治療の必要性について明記していない。
そのため、このような古い手術が無くならないのかもしれない。
逆根管治療を行わなければ、根尖周囲の細菌感染を残したままになってしまうため、ほとんどが再発する。
拡大視野で行う、逆根管治療を含めた歯根端切除術であれば、成功率はおよそ90%と高いことが知られている。
もしこれからこの手術を受ける患者さんがいれば、「逆根管治療は行うのですか?」と担当医にきちんと確認したほうがいいだろう。
歯根端切除術の失敗症例(再発症例)においても、逆根管治療をきちんと行うことで多くの場合治癒するため、患者さんにはあきらめないで頂きたい。