根管治療は日本のほとんどの歯科医院で受けることができる。
しかし、そのクリニックによって根管治療の内容は大きく異なる。
我々専門医の根管治療は、一般的な治療とどこが違うのか?
今回はその違いをお伝えしたい。
①診査と診断
まずは治療をする前に、歯内療法の観点から、正確な診査と診断が必要だ。
・治療して歯を残すことができるのか?
・治療するのであれば、その成功率の見込みはどれくらいなのか?
・治らなかった場合の選択肢は?
メリット・デメリットを正確に伝える必要がある。そして、それは科学的な根拠に基づいて行わなければならない。
きちんと説明できるだろうか?
治療を行う上で、診査診断は最も重要なステップとなる。
②無菌的なコンセプトを遵守した根管治療
何度もこのブログにも載せているが、根管治療で最も大切なのはラバーダムを始めとした「無菌的治療」である。
無菌的な環境を作って初めて、根管治療という土俵に立てる。
これを守らずして、マイクロスコープを使おうが、ニッケルチタンファイルを使おうが、MTA・バイオセラミック材料を使おうが、話にならないのである。
もちろん無菌的コンセプトを守れば良いだけなく、他にも細かな治療のルールやテクニックが存在する。
そして、専門的なトレーニングも積んでいるゆえ、治療の精度をスピードも一般的な治療とは違いがある。
③外科的治療という選択肢
根管治療には限界があり、これだけでは治らないケースも多々ある。
根管治療で治らない場合は、歯根端切除術や意図的再植といった外科的治療が、歯を残すための最終手段となる。
昔はこの外科治療の成功率はさほど高くなかったが、現代の外科的歯内療法は非常に高い成功率を誇る。
この外科的治療を治療オプションとして持っているか、これが大きな違いだろう。
歯内療法の専門医であれば、抜歯してインプラントをする前に、治療できることがあるかもしれません。