歯髄保存治療
歯の神経のことを歯髄(しずい)といいます。ここには神経細胞だけでなく、歯が正常に機能するのに必要な血管や免疫細胞なども存在します。
歯髄の役割は主に3つあります。
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1痛みを感じることができる(体の防御機構の一部)
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2免疫応答
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3歯の強度を保ってくれる
虫歯が大きく、歯髄に近接していると神経を取ること(抜髄)が一般的です。このような場合でも、近年の治療薬や技術を用いて神経を残せる場合があります。
この治療において、一番重要なのが「診断」です。歯髄の状態を正確に判断するのは非常に難しいことがわかっています。
歯の症状、痛みの状態、レントゲン、年齢などを分析して、歯髄を残すことが可能かを診断します。
歯髄保存治療は大きく2つに分かれます
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1虫歯除去後、神経が露出しない場合に行う
「間接覆髄処置」 -
2虫歯除去後、神経が露出した場合に行う
「直接覆髄処置」「部分断髄処置」
この治療のメリットは神経を残すことですが、デメリットもあります。治療直後は神経が生きていても、時間の経過とともに残した神経が弱って死んでしまうことがあります。その場合は、追加処置として根管治療が必要になります。
定期的にレントゲンも含めたチェックと検査が必要です。
補足になりますが、神経を取ること自体は悪いことではありません。細菌に侵された神経をそのままにしておくと、根の先に膿ができてしまい、かえって歯の状態を悪くしてしまいます。腐敗してしまった神経は、速やかに取ることが望ましいのです。